美容コラム 2025.06.13
【美肌ケア】フェイシャルお手入れの基本

ニキビができやすい、乾燥が強い、シミが消えない、ほうれい線が気になるなど、お肌の悩みは様々あると思います。肌は身体に比べ繊細なため、変化を敏感に感じます。そのため、肌の悩みを感じるとつい速効性のある薬などに頼ってしまい、治ってはまたトラブルが起きて…といたちごっこになってしまいがちです。
しかしトラブル知らずの美肌を目指すためには、肌も身体と同じで、繰り返す肌悩みには根本的な肌質改善が必要です。肌悩みが起きにくく、治りやすい状態にできるよう基本的なスキンケアや生活習慣を見直していきましょう。
≪目次≫
美肌作りに必要なこと

強くて綺麗な肌は、水分と油分のバランスが適正で、お肌の生まれ変わりの周期(ターンオーバー)が正常である必要があります。水分と油分のバランスやターンオーバーを適正に保つためには、日々のスキンケアや食事、睡眠、血流をよくすることが重要です。また、肌への刺激をなるべく与えないようにすることも重要です。
よく肌がきれいな人に、「肌綺麗だね、何かしているの?」と聞くと、そういう人に限って「何もしてないよ」や「ドラックストアの安いスキンケア用品をとりあえずつけているだけだよ」などと言われることがあります。これにはもちろん遺伝の影響も関わっていますが、詳しく聞くと何か肌に対して特別なことをしていなくても自然の習慣で肌にとっていいことをできていたりします。
逆に頑張っているのによくならないという方は、気づかないうちに肌に負担をかけているかもしれません。日々の行動のちょっとした差であっても、何十年も続けていたら大きな差になります。
皮膚の構造
私たち人間の皮膚は、大きく分けて表皮と真皮に分けられます。
表皮は約0.2㎜程度の薄さの一番外側の組織で、外界の様々な刺激を内部に与えないように保護する働きがあります。その内側に約1.8㎜の真皮があり、コラーゲンやエラスチンなどの成分が皮膚のハリや弾力を保っています。さらにその奥にはクッションのような役割を果たす脂肪を蓄えた皮下組織があります。
そして表皮はさらに4つの層に分かれます。

表皮の中でも一番外側にある層は角質層と呼ばれ、NMF(天然保湿因子)や細胞間脂質などにより潤いを保つほか、外界からの侵入や刺激から守る働きがあります。表皮のうち一番真皮に近い層が基底層で、新しい表皮の細胞を生み出しています。また、メラニンを作るメラノサイトもこの層に存在します。
健康な肌づくりにおいて重要なターンオーバーは、基底層で細胞が生まれることから始まり角質層でアポトーシスによって死んだ細胞が垢となって剥がれるまでを指します。正常なターンオーバーの周期は約28日で、早すぎても遅すぎても問題です。一般的に加齢により徐々にターンオーバーは遅くなり、肌荒れや紫外線刺激があると早く回復するためにターンオーバーが早まるとされています。
スキンケアのポイント

スキンケアはクレンジングや洗顔から始まり、肌の汚れや余分な皮脂を落とし、化粧水、乳液などで保湿をするのが基本的な工程です。
そこに必要な成分を入れるために美容液をつけたり、スペシャルケアでパックやピーリングを行ったり、人によってはいくつもの工程で肌を整える場合もあります。反対にオールインワンジェルのような保湿を1つの化粧品で完結させる方法もあります。
大切なのはどれがいい、どれが悪いということではなく、肌に合わせたスキンケアを行うことです。顔や体型によって似合うメイクや服装が違うように、肌に合うスキンケアも人それぞれです。スキンケアの工程のそれぞれの目的を理解して自分の肌にあるスキンケアを行いましょう。
クレンジング
クレンジングの目的は肌の余分な油分を浮かせて落とすことです。クレンジングは化粧を落とすものと思っている方もいるかもしれませんが、化粧をしない方でも特に男性など皮脂の分泌が多く肌表面が脂っぽい方はクレンジングを使用した方が良い場合もあります。
クレンジングは肌の油と洗い流す水をなじませるために乳化する目的で使用します。乳化は、本来混ざらないお酢とサラダ油に卵を入れて混ぜることでマヨネーズにするようなイメージです。
濃いメイクではなくナチュラルメイクや日焼け止めだけの時でも、洗顔だけでは肌に乗った余分な油分や汚れを落としきれない可能性が高いため、基本的にはきちんとクレンジングを行いましょう。
また、男性の場合は皮脂分泌量が多く、なんと女性の2倍以上とも言われているため、メイクをしなくても肌表面に余分な油分が溜まっている可能性があります。個人差もありますが、余分な皮脂を蓄積させず清潔感を保つためにはクレンジングもすることがおすすめな場合もあります。特に肌のべたつきが気になる方やそれによってニキビを繰り返してしまう方は意識的に行いましょう。
【使い方】
クレンジングの際は人肌程度に温め、こすらないように優しくなでながら落としましょう。特に毛穴の気になる方は、汚れを取ろうと時間をかけてクレンジングする方も多いですが、長時間かけすぎると必要な油分まで奪ってしまうため、軽く全体になじませる程度にしましょう。
【種類】
クレンジングはその構成成分によって落とせるものや特徴が異なります。
商品にもよりますが、オイルやバーム、油系のジェルは洗浄力が高く、ミルクやクリーム、ローション、水系のジェルは洗浄力が優しめです。洗浄力の強いものはリキッドファンデーションやマスカラ、アイライナー、ウォータープルーフのものまで落とせますが、皮脂を摂りすぎてしまう可能性も高くなります。
強い乾燥肌の方などは洗浄力の弱いものを使うのが理想ですが、それでメイクが落ちずにこすってしまうと肌に負担がかかります。基本的には洗浄力の弱いものを使用し、アイメイクなど落ちないところだけ別の落ちやすいものを使用するか、強い洗浄力のものでも乾燥がきになる部分は最後にクレンジングを乗せて負担を減らすようにしてみてください。
洗顔
洗顔の目的は表面の汚れを落としたり、クレンジングで乳化して流しきれなかったものを落としたりすることです。クレンジングしかしないという方もいらっしゃいますが、クレンジングだけでは落とし切れていない汚れが残ってしまうため、洗顔料で落とすことが必要です。
【使い方】
洗顔の際は洗い流すお湯の温度も重要です。冷たい水では油分が落としにくく、反対にシャワーの温度くらいの40℃前後では必要な皮脂まで流れてしまいます。顔の温度に近い32~34℃程度の低めのぬるま湯が理想です。
また洗顔は泡立ててから使用し、泡で洗うのが基本です。こすってしまうと摩擦で肌に負担がかかり、しわやくすみ、肌荒れの原因になりますので優しく洗うよう心がけましょう。
【種類】
洗顔料にはペースト、泡、固形、ジェル、粉末など様々な種類があります。クレンジングに比べ性状によって洗浄力が異なるというよりは、商品によって様々です。ただし、例えば粉末タイプのものは水を配合していないため、水によって活性が低下してしまう酵素を配合できるなどの特徴があり、洗浄力も高いものが多いです。口コミなども参考に自分の肌質にあった洗顔料を選びましょう。
ダブル洗顔不要などの記載があるものは、軽いメイク落としと洗顔が1個で出来るもので、極めてナチュラルなメイクであれば別でクレンジングをしなくてもオフすることができます。肌に触れる回数が少なくなる分負担を減らせることや、単純に時短にもなるというメリットも考えられますが、きちんと落とせていないと肌トラブルに繋がります。基本的には別でクレンジングをしてメイクオフした方が綺麗に落とすことができますので、肌状態等の経過を見て今のケアが適切か判断しましょう。
【朝洗顔について】
夜の洗顔は角質や皮脂汚れまで落とすという目的があるのに対し、朝の洗顔はほこりや汗などを落とすのが目的なため、洗顔料なしで、ぬるま湯で流すだけで十分な方もいます。乾燥が気になる方は基本的にはこれで十分です。
しかし、10代の皮脂分泌の多い時期や特に男性でテカりやすい方、朝からべたつきがある方は朝も洗顔料を使って洗顔をするのがおすすめです。鼻や額など一部だけべた付くという方はその部分だけ洗顔料を使用するのも一つの方法です。洗面所で洗顔をすると洗い残しやすすぎ残しが起こりやすく、そこから炎症になってしまうこともあるため、生え際やもみあげなどもきちんと流し切るように心がけましょう。
化粧水
化粧水は肌に潤いを与えるためのものであり、ほとんどが水や水溶性の成分で出来ています。化粧水はジャバジャバとたくさんつけることが推奨される場合もありますが、実は肌に浸透させられる量には限りがあるため量をたくさんつければよいというものではありません。普段のスキンケアで化粧水が浸透できるのは角質層である0.02㎜(ラップ1枚分)程度までしか浸透しないことが分かっています。
※成分によってはそれより深部まで届いているというデータのあるものもありますが、化粧品の効果は原則として角質層までです。強い成分が深部まで浸透してしまうと副反応の危険性もあります。
これは肌のバリア機能によるもので、手でもコットンでもパックでも浸透できる限界の量は同じです。入浴時に、身体が水をどんどん吸ってしまったら大変ですよね?身体に何でもかんでも入ってこさせるわけにはいかないためこうした機能が働いています。
1回に使う化粧水の量は商品にもよりますが500円玉程度です。人肌程度に温めてから、優しくじんわりとハンドプレスするように浸透させるとしっかりと保湿することができます。洗顔後、特に入浴後は、肌の水分が蒸発しやすく、素早く保湿をする必要があるため、できるだけ早く化粧水をつけましょう。
乳液・クリーム
乳液やクリームは人工的な皮脂膜の役割を果たし、潤いをキープする働き(エモリント効果)があります。肌表面から水分が蒸発する際の気化熱による温度低下も防げるため、保温の効果もあります。
スキンケアは化粧水しかつけないという方もいますが、化粧水にはエモリント効果がなく、時間が経つと蒸発してしまうためそれを防ぐためには乳液やクリームでフタをする必要があります。皮脂が多く乾燥はしないが皮脂の分泌が多く常にべたついているという方は乳液やクリームによって余計に油っぽくなってしまうため化粧水だけでもいいかもしれません。しかし、皮脂は乾燥が強い場合に水分の蒸発を防ぐために多く分泌されている場合もあるため、べたつきの原因は乾燥じゃないかどうかの見極めはとても重要です。
乳液とクリームは似ていますがクリームの方が油性成分が多く、乳液は液体状の油分が多いのに対し、クリームには固形成分やろうなどが入っているため、クリームの方がエモリント効果が高いです。乳液だけでは乾燥してしまう方や冬場など乾燥が強い時期には乳液の上からクリームを使用するのも1つの方法です。
1回の使用量は約パール1粒程度。商品に目安量の記載がある場合はそちらを参考にしましょう。化粧水の後すぐにつけ、水分の蒸発を防げるようにしましょう。
美容液
美容液は、プラスアルファの美容効果や成分を得ることを目的に使用されるものです。ものにもよりますが、基本的には肌トラブルの対処に使うのではなく、毎日使用し肌トラブルが起きないようにするために使用します。
美容液は一般的に美容成分を多く配合しているものを指しますが、その配合量についての規定はなく、化粧品分類はメーカーが自由に決めることができるため、絶対的に美容成分が多いとは限りません。あるブランドの美容液よりも他ブランドの化粧水や乳液の方が美容成分が多いこともあります。
美容液には、様々な種類があり、肌の柔軟性を高めるためにスキンケアの最初に使うものや、オイルなど目的によって使うタイミングを変えるもの、化粧水の後に使うものなど商品によって異なります。各商品に記載されているメーカー推奨の使用方法を参考にしましょう。
シートマスク
シートマスクは、密閉することで美容成分を集中的に均一に角層に浸透させることができるため、スペシャルケアで使用されることが多いです。普段のスキンケアではどうしても化粧水や美容液の塗りムラが出てしまうため、特別な日のスペシャルケアや週に何回かのメンテナンスにぴったりです。シートを載せれば待っている間は、ながらで他の作業ができるというメリットもあります。
シートマスクは肌に密着させ、使用頻度や使用時間は各商品の推奨する通りにしましょう。せっかくのシートマスクだからしっかり使わないともったいないと思ってどうしても長時間使いたくなってしまいますが、角層に入れる水分や美容液の量は限られている上、置きすぎると肌の水分がシートの方に奪われてしまい乾燥の原因になります。また、シートマスクは美容成分が豊富なため、毎日使用すると刺激が強すぎるものもあり、たくさん使えばいいとも限りません。
シートマスクの中には1パックに何枚も重なっているものと、1枚ずつ個包装になっているものがあります。前者は比較的リーズナブルなものが多いため手軽に取り入れやすいです。しかし何度も開封しているうちに空気や菌などが入り込んでしまい、時間とともに品質が落ちやすいため、短期間で使い切らないと却って肌に悪影響になってしまう可能性があります。短期間で使い切れない場合は個包装のものがおすすめです。
ピーリング
ピーリングは、肌の汚れや古い角質を落とすために行います。
様々な要因によってターンオーバーが遅れると、角質が肌表面に枯葉のように重なっていき角質肥厚の状態になります。角質が溜まることで肌がくすんだり、毛穴が塞がって皮脂が溜まることでニキビ、毛穴詰まりが起きたりと様々な肌トラブルの原因になります。こうした角質肥厚の状態を改善するために使われるのがピーリングです。
ピーリングのうち手軽に使える自己ケア用のものには、洗い流す用のジェルやふき取りシートがあります。いずれの場合も肌への刺激は強くなるため使い過ぎはよくありません。毛穴が気なる場合もやりすぎると乾燥が強まり、毛穴が広がってさらに毛穴が気になるようになってしまうなどのリスクがあります。また、ニキビがある場合は炎症している箇所に刺激を与えることで悪化してしまう可能性もあります。基本的には週に1~2回程度で十分で、乾燥や炎症がある場合は使用を避け、詳しくは各商品の推奨する頻度を守るようにしましょう。
ピーリング後は表皮が刺激を受けることで乾燥しやすくなるため保湿が肝心です。普段以上に念入りに保湿ケアを行うようにしましょう。
オールインワン化粧品
オールインワン化粧品は化粧水、美容液、乳液などの効果を1つにまとめた化粧品のことで、手軽にスキンケアが完結し時短になるというメリットがあります。時間がないときや疲れ切っているとき、どうしてもスキンケアが面倒くさいときなど1つ持っておくととりあえずのケアとしてとても便利です。また、肌に触る時間が少なく済むため、肌への負担を減らすことができます。
一方で、使用する際に水分や油分の割合を調整できないため、段階を踏んで行うスキンケアに比べるとやはり、二兎を追う者は一兎をも得ずといった部分があります。乾燥肌の方は特にデイリー使いするには物足りなさを感じます。
オールインワン化粧品はジェルやクリームなどがありますが、商品の特徴を見て自分の肌に適したものを選びましょう。ジェルなど透明や半透明の軽くさっぱりとした使用感のものは、肌がべたつきやすい脂性肌の方向きのものです。基本的に水分や水溶性成分の割合が高く、油性成分が少ないため特に男性や夏場にぴったりです。一方で、乳白色や白色のこっくりしたタイプで、しっとりとした使用感のものは、普通肌や乾燥肌の方向きです。こちらは油性成分の割合が高く、水分の蒸発を防いでくれるため潤いを保ちやすくなります。
日焼け止め
日焼け止めは紫外線対策に使われます。紫外線の一番のイメージは肌が焼ける、黒くなるなどのイメージだと思いますが、実はそのほかにもシミ、シワ、たるみ、ターンオーバーの乱れなど様々な肌トラブルの原因になっています(光老化)。
米国皮膚科学会では、老化の原因の約80%は紫外線の影響だと言われているほどですので、日焼け止めは単に日焼けしたくないという方だけが使うものでもないのです。もちろんイメージ通り、夏の晴れた日に屋外にいると特に焼けやすいですが、冬でも雨でも屋内でも紫外線がないわけではありません。日焼け止めは毎日使うことが理想です。
美肌をつくる食事と栄養

糖質
糖質が肌に関係するのは意外に思われる方もいるかもしれません。糖は過剰に摂取すると体脂肪になるほか、体内の様々なたんぱく質と結合して糖化という現象を引き起こします。
例えばコラーゲンが糖化すると、肌の弾力が損なわれしわやたるみの原因になります。さらに、血管もコラーゲンで出来ているため血行が悪くなり、必要な栄養素が届かず老廃物の排泄もできなくなってしまいます。また、糖化の終末代謝産物であるAGEsが炎症の原因になるため、細胞を傷つけ乾燥やニキビの原因になります。さらにターンオーバーの乱れも起きるため、もはや全ての肌トラブルの原因になります。
糖質の摂取量はダイエットの場合ほど抑えなくてもいいですが、体重50kgの方で1日200g~250g程度を目安に抑えましょう。量より大切なのが食べ方で、血糖値の上昇を抑えることが重要です。血糖値の上昇を抑える方法は、野菜やたんぱく質、脂質を先に食べる、ゆっくりよく噛んで食べる、欠食をしない(食事の間隔を空け過ぎない)、丼ものや麺類を控えるなどがあります。
脂質
脂質はニキビ肌の方などでは特に控えている方もいらっしゃるかもしれません。脂質の摂りすぎは皮脂分泌が活発になり、ニキビの原因菌であるアクネ菌の繁殖を促してしまうため控える必要があります。また、ニキビ以外にも皮脂による毛穴の開きやその酸化による黒ずみ、くすみ、血流悪化によるターンオーバーの乱れなど様々な影響があります。
脂質は摂らなすぎると乾燥の原因にもなるため、女性では1日40~50g程度、男性なら50~70g程度を目安に抑えるようにしましょう。また、脂質は量だけでなく選び方が重要です。
脂質を構成する脂肪酸には種類があり、肉の脂身やバターなどに多い飽和脂肪酸と、青魚、オリーブオイル、亜麻仁油などに多い不飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸も必要ですが過剰になると血液をドロドロにしてしまうため、摂りすぎは控えたいものです。一方、不飽和脂肪酸のうち特に青魚に多いEPAやDHAは血流の改善など良い働きをする良質な脂肪酸なため積極的に取り入れたい脂肪酸です。
また、スーパーやコンビニなどの総菜やホットスナックの油は酸化した状態の過酸化脂質と呼ばれる脂質で、体内で細胞を傷つけてしまい老化の原因にもなるため控えることがおすすめです。脂質は量を控えるだけでなく、質を意識して摂るようにしましょう。
たんぱく質
たんぱく質は肌のための栄養素としては見逃されがちな栄養かもしれません。しかし、私たちの身体は肌を含めてほとんどがたんぱく質で出来ています。たんぱく質が不足すると、肌のハリや弾力に関わるコラーゲンやエラスチン、新しい表皮細胞などがつくられず、ターンオーバーの乱れにも繋がります。
たんぱく質は女性50g以上、男性60g以上を目安に摂るようにしましょう。主なたんぱく質源となる食品は肉、魚、卵、納豆・豆腐などの大豆製品があります。動物性たんぱく質の供給源である肉や魚、卵などは比較的脂質も多いですが、たんぱく質の割合も高く、ビタミンB群や鉄などの他の栄養素も摂れるため重要なたんぱく質源です。
一方、植物性たんぱく質の供給源である大豆製品などは比較的たんぱく質の割合は低いですが、動物性たんぱく質に比べ長時間体内に残存でき、必要なタイミングで使いやすいというメリットがあります。また、低カロリーなためダイエット中でも気軽にちょい足ししやすいです。
動物性たんぱく質:植物性たんぱく質=2:1程度を目安に摂取しましょう。
野菜
野菜が肌にとって大切であることはほとんどの方が理解していると思います。野菜はビタミンやミネラルが豊富で、特にビタミンCはシミなどの色素であるメラニンの生成抑制や、コラーゲンの生成促進、抗酸化作用、皮脂分泌抑制など様々な美容効果を発揮するとされています。また、ビタミンAがターンオーバーを促進したり、ビタミンEが血行促進や抗酸化に働いたりと美肌作りに欠かせない栄養素が詰まっています。さらに、野菜には食物繊維も豊富なため、便秘の改善にも働きます。
肌は腸内環境を表す鏡とも言われるほど、腸内環境の乱れは肌に現れます。便秘の場合、腸内の悪玉菌が増え、アンモニアやフェノール、硫化水素などの有害物質がつくられるため、それらが血管を通って全身をめぐることで肌にも悪影響が生じます。また、腸内には全身の免疫細胞のうち約8割が集まっているため、有害物質を防ぐ能力は腸内環境にかかっています。
野菜の摂取量は1日350gが推奨されています。中でも特に栄養価の高い緑黄色野菜は1日120g以上摂ることが理想です。緑黄色野菜にはにんじん、ピーマン、ブロッコリー、トマト、ほうれん草などがあり、切った断面が白くなく外側と同じ色をしているものが多いです。
その他のポイント
上記以外でまず大切なのが水分の摂取です。水分が不足すると肌が乾燥してしまいます。水は全身で必要な成分で生命の維持にも必要なため、優先順位が高くない肌は水分が失われやすいです。また、水分は血行を良くして栄養や老廃物の運搬を促したり、便秘を改善したりするのにも重要です。
水分の摂取量の目安は飲み物として摂る分で1日1.5L~2Lです。できるだけこまめに摂りましょう。今まで水分をあまりとらなかった方は、身体が慣れるまで排泄ができず一時的にむくんだように感じる場合もありますが、慣れてくれば排泄できるようになります。水分がしっかりと循環でき、常に不足しない状態をキープできるのが理想です。のどが渇いてからでは遅いですので時間やタイミングを決めて飲むのもおすすめです。
水分の種類は特に肌の為を考えると水が一番好ましいです。水道水ではなく天然水などが理想ですが水道水の場合は浄水器や整水器で綺麗にしたものを摂取しましょう。水分をたくさん摂っているつもりでも、コーヒーやお茶などカフェインを含んでいるものは利尿作用により、必要以上に水分が排泄されてしまうことで脱水してしまっている可能性があります。水分摂取量と合わせて考えたいのが排尿の回数で、個人差もありますが、1日5~7回程度を目安にしましょう。
肌のために控えたいのは過剰な飲酒と喫煙です。飲酒は1日アルコール量20g程度の適正飲酒の範囲であれば問題ありませんが、それ以上の飲酒は肝臓や膵臓など様々な臓器がダメージを受けることで肌にも様々な影響があります。またたばこは有害物質が極めて多く、紫外線に次ぐ老化の原因と言われるほど、肌にダメージを与えてしまいます。内側からのダメージはスキンケアでアプローチできない真皮を傷つけてしまい、老化の促進につながります。そして、過剰な飲酒も喫煙も、ニキビや乾燥、くすみ、シミ、シワ、たるみの原因になります。
生活習慣

刺激を減らす
肌への刺激は物理的な刺激や、光などの刺激、化学物質による刺激、微生物などによる刺激など様々なものがあります。物理的な刺激は、髪がなるべく顔にかからないようにしたり、洗顔後にタオルでこすらないようにしたりして抑えましょう。
光による刺激は先に述べた紫外線もその一つです。そしてもう一つ注目したいのがパソコンやスマホなどから出るブルーライトです。ブルーライトは紫外線の次に強いエネルギーを持つ光とも言われ、肌の深層にまで届くとされています。ブルーライトを長時間浴び続けていると1時間程度で色素沈着を起こしシミの原因になるという研究結果も発表されています。さらに肌を傷つける活性酸素を生み出す原因にもなることが分かっています。
他にも夜間にブルーライトを浴びることで睡眠の質が低下する原因にもなります。ブルーライトを浴びないようにできれば良いですが、現代社会でそれはなかなか難しいです。特に夜間はブルーライトを発する機器の使用を控えたり、機器の設定や保護フィルム、眼鏡などでブルーライトを抑えたりといった工夫をしてみましょう。
化学物質による刺激は、髪につけた整髪料や、シャンプー、トリートメントのすすぎ残し、洗顔時の洗顔料のすすぎ残しなどで起きがちです。整髪料がついた髪は特に肌に触れないようにし、髪や顔を洗う際はすすぎ残しがないようしっかりと洗い流しましょう。
微生物による刺激は、開封から時間のたった化粧品や、日々肌に触れるタオルや枕に細菌が繁殖することで起こります。化粧品は使用期限を守って使い、肌に触れるタオルや枕カバーは毎日交換するようにしましょう。枕カバーを毎日変えるのが面倒くさいという方は、枕の上にタオルなどを敷き、それを毎日交換するというのも一つの方法です。
睡眠
睡眠は美肌づくりにとってとても重要な工程です。肌はご存じの通り寝ている間に生まれ変わります。この生まれ変わりが正常に行われないとターンオーバーが乱れて様々な肌トラブルの原因になります。
肌の修復に関わるのは睡眠中に分泌される成長ホルモンで、眠り始めの2時間程度で最も多く分泌されるとされています。睡眠時間は確保していても、寝つきが悪かったり眠りが浅かったりすると成長ホルモンが十分に分泌されず、ターンオーバーが乱れる原因になっている可能性があります。
成長ホルモンと聞くと子供のホルモンのようなイメージがあるかもしれませんが、健康や美容のために大人にとっても重要なホルモンです。成長ホルモンが分泌できるようにするためには、睡眠時間もある程度必要ですが、それ以上に睡眠の質が大切です。質の良い睡眠をとれるよう、起きたらまず朝日を浴びて夜寝つきやすくし、寝る前はリラックスできる環境を整え、部屋を真っ暗にして寝るなどが大切です。
血行やリンパ
美肌作りのポイントとなるターンオーバーを整えるためには、栄養素の供給と老廃物の排泄がスムーズに行える必要があります。血管やリンパは顔を含め全身繋がっているため、顔だけをマッサージしても、一時的にむくみ等が改善するだけでまたすぐに元に戻ってしまいます。
全身の巡りをよくするためには、入浴や軽い運動、ストレッチ、マッサージが効果的です。特に顔周りは肩こりや首こりによって流れが滞りやすいため、これらのコリをほぐすことはとても重要です。入浴時は肩まで浸かり、運動も定期的に行うことが理想です。
マッサージは全身行うのが理想ですが、自分で行うのはあまり現実的ではないので自宅でのケアは肩やデコルテ周りを中心に流し、顔周りの血流が滞らないようにしていきましょう。マッサージの際、顔やデコルテ周りは摩擦の刺激を受けやすく荒れやすいため、オイルなどをつけて摩擦が少ない状態にして行いましょう。
滞りやすいと感じる方や全身詰まっていると感じる方は、エステやマッサージ店などで月1回程度でも全身を流すメンテナンスができると理想的です。そこまで?と思われる方もいるかもしれませんが、綺麗な芸能人やアイドルの方など綺麗な方は隙間時間などを利用してメンテナンスに通ったり、メイクの時にマッサージしてもらったりしています。今の肌状態や身体状態、またどこまで目指したいかにもよると思いますが、美容室に行くような感覚で利用してみるのもいいかもしれません。
ラ・パルレの美肌ケア

肌悩みの中でも特に繰り返している方が多いニキビ。ニキビに悩む方の中には、万年顔中ニキビ肌という方や、皮膚科に行って改善してもまたすぐにできてしまう方、頑固なニキビ跡に悩む方など様々な方がいらっしゃると思います。繰り返すニキビにはスキンケアや薬の使用だけでは改善しない根本的なニキビの原因が潜んでいる可能性が高いです。“食事や生活習慣を見直してみても繰り返すニキビが改善しない”という方は特に、肌自体を揺らぎにくい強い肌に整える必要があります。
大人ニキビの原因は角質が厚くなることですが、これは肌の生まれ変わりであるターンオーバーが乱れることが原因です。ターンオーバーが乱れると、外からの刺激から肌を守る肌のバリア機能が維持できなくなるため、少しの刺激で揺らぎやすい弱い肌になってしまいます。
本来、角質層(肌の一番表面の層)よりも奥に異物が侵入しないように働いているバリア機能が崩壊することで、例えば、紫外線や花粉、摩擦、肌に合わない成分など、ちょっとした刺激で肌にダメージが蓄積します。こうした肌へのダメージによって皮脂や水分のバランスの調整が働かなくなったり、さらなるターンオーバーの乱れを引き起こしたりしてしまい、改善しにくいニキビ肌へと変わってしまいます。
また皮膚科などで処方されるステロイド剤は、劇的な効果をあらわす反面、誤った使用法により副作用を伴う場合もあります。医師からの指示を守らず自己判断で使用した場合には、身体本来の健康な肌を維持する働きが保てなくなってしまったり、皮膚が薄くなって敏感肌になりやすくなったりするため、さらにニキビができやすい状態なってしまうこともあります。
このため、肌自体を強くすることはニキビの根本的な原因を解決するために欠かせません。そしてそんなときにおすすめなのがエステでのニキビケアです。エステでは肌状態に合わせて様々な機器を使用しながら、肌本来の健康な肌を維持しようとする働きを保つためのケアをするため、今あるニキビの改善をサポートするだけでなくニキビ自体ができにくい肌を目指すことできるのです。
ニキビケア集中フェイシャルコース

ニキビケアから始まった創業45年以上の歴史を持つエステティックサロン ラ・パルレでは、ニキビの原因に身体の内側と外側、両方からアプローチする「ニキビケア集中フェイシャルコース」をご用意しております。
【身体の内側から】
肌は腸内環境を映す鏡とも言われており、便秘などで腸内環境が悪い状態ではニキビなどもできやすくなります。その腸をハンドトリートメントでケアすることで、老廃物の排泄をサポートし、ニキビの原因にアプローチします。
さらにスイスでは医療機器としても使用される光のシャワーに着目し、バイオプトロンという可視光線を当てることで肌本来の生まれ変わる力に働きかけ、新陳代謝の改善をサポートします。
【身体の外側から】
肌への外側からのケアでは、古くなった角質や余分な皮脂、毛穴に詰まった老廃物を取り除くため、超音波振動を利用した肌に優しいウォーターピーリングを行います。さらにクリアになった肌に超音波とイオン導入の力で、ビタミンC誘導体とトリプルガンマリノレン酸を導入し、肌に欠かせない不足しがちな成分を浸透させます。
ビタミンC誘導体はビタミンCを熱や光、空気などに対し強く安定した状態にしたもので、過剰な皮脂の分泌を抑え、ニキビ跡の色素にもアプローチします。また、トリプルガンマリノレン酸はニキビやアトピー肌の方に不足しやすいと言われている、必須脂肪酸です。肌に取り込むことで菌の繁殖を抑え肌の生まれ変わりをサポートします。
ラ・パルレでは通常27,500円のニキビケア集中コースフルコースを、初回限定3,000円でご体験いただけます。詳しくは下記のリンクからご覧くださいませ。
まとめ
美肌を作るためには、日々のスキンケアや食事、生活習慣などの積み重ねが重要です。薬などの対処療法に頼り、治っては再発してと肌悩みを繰り返すのではなく、内側からと外側から、Wでケアをしていくことで強く美しい肌を作ることができます。肌悩みが深刻な方は自己ケアだけでは肌がなかなか変わらないと悩まれている方も多いですが、そんな方は、エステサロンでマシンなどを使用することで肌を根本から変えていくためのケアを試してみることもおすすめです。肌本来の治癒力やバリア機能を呼び起こすことができれば、肌トラブルを繰り返さない、強い肌を作ることができます。ラ・パルレではニキビに特化した体験コースをご用意しておりますので、気になる方は試してみてください。