健康コラム 2025.09.29
【身体をリセット】ダイエットに効果的な朝食のとり方
朝食は食べたほうがいいと聞くけれど、本当に必要なの?と思われる方は多いです。実際に朝食を食べない日のほうがカロリーを低く抑えられて体重は軽いのにと思っている方もいます。
今回は朝食がなぜ必要と言われるのか?どんな食べ方が理想なのか?など朝食について徹底解説していきます。
≪目次≫
ダイエットで朝食をとったほうがいいと言われる理由2選
体内時計のスイッチを入れる
私たちの身体には体内時計と呼ばれるメカニズムが備わっており、1日サイクルで睡眠や体温、ホルモン分泌などのバランスを調整しています。これは、自律神経との関連も深い重要なシステムです。
体内時計のズレは肥満やがんなどの生活習慣病のリスクを悪化させるとされており、ダイエットにおいても燃焼力の低下などにつながるため、体内時計のリズムを整えることはとても重要とされています。
しかし、体内時計の1つである概日リズムが1日サイクルとは言え、実は24時間ぴったりの周期ではなく24.5時間程度と言われており、毎日リセットしないと30分程度ずつずれていってしまうことが分かっています。そして仮に体内時計がずれ続け、夜型になってしまうと、太りやすくなることも研究によって明らかになっています。
そんな困った体内時計をリセットするための方法が光による刺激と“朝食”なのです。本来は、日が沈んだら寝て、日が昇ったら起きるというのが人類の習性ですが、夜でも煌々と明りがともる現代社会では、それはなかなか難しいのが現実だと思います。そこで体内時計のリセットにおいて重要なのが“朝食”というわけです。
朝食を摂ると、光による刺激がなくても体内時計をリセットすることができると言われています。体内時計は各組織や臓器ごとにも存在していて、それぞれに1日の周期が異なるともいわれているため、全身の体内時計を一度リセットして揃えるためにも朝食による刺激はかなり重要ということが分かります。
きちんと朝食をとり、身体に朝を教えることで体内時計をリセットし、全身のリズムを整えることで、代謝や自律神経など、健康や美容に深くかかわる身体のシステムを正常に保つことができるのです。
身体の燃焼力を上げる
燃焼力を上げるためというのは、午前中からエネルギーを燃焼させるモードにさせるということに大きな意味があります。朝食には睡眠中に低下した体温を上昇させたり、眠った身体や脳を起こしたりする効果があります。さらに、胃や腸を動かすことで胃腸の機能や排便等も促します。
その朝食を抜いてしまうと、起床時のエネルギー代謝の低い身体のまま、排泄機能も狂った状態で過ごすことになるため、とにかく代謝を上げ、不要物を排泄したい“ダイエット”にとって不利に働いてしまうのです。
日常生活で朝電車に乗るまでに歩いたり、午前中から仕事や勉強で頭を使ったりといった貴重な時間に、身体がしっかりと燃焼できる状態をつくるために、朝食が重要です。また、朝食を摂ることで摂らない場合に比べ昼食前の絶食時間が短くなり、昼食時に血糖値が上がりにくくなり太りにくい食べ方ができます。
しかしそれでもやっぱり、朝食を抜いたほうが体重軽いし…と思う方もいるかと思います。1週間でみたときに、朝食を摂ると体重が落ちないあるいは増えてしまう、そんな方は、単純に1日の摂取エネルギーや糖質がオーバーになってしまっている可能性が高いです。朝食を摂らないという選択よりも、1日の食事を見直してみましょう。
朝食は何を食べる?
時間がないからできるだけ手軽に済ませたい!という方も多い朝食。可能であれば朝食という枠にとらわれず、一汁三菜のようにバランスよく食べるのが理想ですが、特に今まで朝食を摂る習慣がなかったという方はなかなか難しい方が多いでしょう。
そこで、朝食で最低限摂取したい、特に重要な栄養素が炭水化物とたんぱく質です。
特に、“体内時計をリセットする”という目的では、炭水化物として摂るのは、米やパンが良いと言われています。朝食は、空腹後の特に血糖値が上がりやすいタイミングですので、たんぱく質や野菜を先に食べたり脂質を一緒に摂ったりすることで、血糖値が急上昇しない食べ方にするのがおすすめです。
主食はご飯かパンをメインにし、卵、納豆、焼き魚、ツナ、豆乳などのたんぱく質をつけると理想に近い朝食になります。さらに体内時計のリセットには脂質の中では青魚の油が1番良いとされており、EPAやDHAなどの良質な脂肪酸も豊富に含まれるため、ツナサンドやサバ缶、焼き魚は特におすすめです。
また、白湯などを飲んで内臓を温めることや野菜を摂ることもできればより美容や健康への効果が期待できます。ただし、白湯は胃腸を温め消化機能を整えるなどに効果的ですが、塩分の多いスープなどではむくみにつながる可能性があるため注意が必要です。腎臓の機能が高まり塩分の排泄が促されるのは夜と言われているため、朝から塩分の多いスープなどを摂ってしまうと1日中むくみやすい状態で過ごすことになります。むくみやすい方やデスクワークなどあまり動かない方は塩分の摂りすぎにも気を付けたいところです。
朝食のおすすめメニュー
朝食に時間をかけられる場合
時間をかけられる場合は、定食系のメニューがおすすめです。
ダイエットを考えると主食はお米が◎ 特に玄米が入ると、白米よりも食物繊維やビタミンB1をしっかりと摂ることができます。炊くのが面倒な場合はコンビニやスーパーでもパックのご飯が売っていますので活用してみてください。ダイエット時の量では糖質量で40g~50g程度を目安に食べましょう。パックのご飯であれば、1/2パック程度です。
たんぱく質源には手軽なものには納豆やツナ缶やサバ缶、生卵、豆腐、豆乳などがあります。少しでも調理の時間があれば、焼き鮭や卵焼き、目玉焼き、ゆで卵、スクランブルエッグ、オムレツ、納豆オムレツもおすすめです。
朝食メニューの定番でもあるウインナーやベーコン、ハムなどにはたんぱく質も含まれますが十分な量のたんぱく質を摂ろうとすると塩分量がかなり多くなり、脂質も多めになるためアクセントとして取り入れるのは良いですが、主なたんぱく質にはしないのが良いでしょう。
野菜は朝食で100g程度は摂れると理想的です。野菜の摂り方は体質や生活習慣、季節等によっておすすめが変わります。例えば冬場など冷えが強い時やお腹が冷えに敏感な方は、生野菜よりも蒸し野菜やスープなど温かい状態で摂ることがおすすめです。しかし、むくみやすい方は塩分量の多い汁物は朝からのむくみの原因になりますので、他の食品も味が濃い場合などは蒸し野菜やサラダなど塩分量を抑えられる方がいいかもしれません。
野菜の中で、塩分なしでも手軽に食べられる“トマト”は朝食のおすすめ食材です。特にトマトの美容成分として有名なリコピンは朝に最も吸収率が高まるとされており、様々な美容効果や健康効果が期待できます。ちなみにリコピンには抗酸化作用や、糖尿病や動脈硬化の予防などの効果があり、美容面での効果としては、美白や美肌効果、老廃物の滞りを抑制する効果などの嬉しい効果につながります。
【朝食献立例】
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玄米+焼き鮭+レタスとトマトとわかめのサラダ
→鮭のアスタキサンチンとトマトのリコピンによる高い抗酸化作用と玄米のビタミンで代謝UP。鮭は塩分が多めのため汁物はなしにします。 -
白米+納豆+豆腐と白菜と油揚げの具沢山味噌汁
→調理の時間はつくれない日、先日の残りの味噌汁を再加熱すればOK。納豆1パックだけではたんぱく質が不足するので味噌汁にも豆腐を入れます。油揚げで脂質をプラスすることで腹持ちがUPするため昼食までにお腹がすいてしまう方にもおすすめです。 -
食パン+目玉焼き+ミネストローネ+高たんぱく質ヨーグルト
→パン派の方にオススメの朝食。ミネストローネで朝からしっかり野菜を摂取し、トマトの酸味が入ることで減塩も叶います。パンにも塩分があるため目玉焼きは味付けを少なめにするのがおすすめです。たんぱく質が少ないのでヨーグルトで補います。
朝食に時間をかけられない場合
先に述べたような朝食を摂れれば理想的ですがそうは言ってもなかなかそこまで時間が取れないという方も多いです。中には出社してから職場で食べる方や車内で食べるという方もいらっしゃいます。ここでは、コンビニに売っているものをメインに、より手軽な朝食メニューをご紹介します。コンビニ以外の場合は似たものを選ぶ、または作り置きするなどで考え参考にしてみてください。
主食は、おにぎりやサンドイッチ、バゲットサンドなどがおすすめです。おにぎりは、混ぜ込みご飯タイプのものは塩分が高いものが多いため、白ご飯の中に具材が入ったタイプのものを選びましょう。サンド系のものは野菜やチキン、ツナ、卵など具材の多いものを選ぶと血糖値の上昇を抑えやすくなります。具材がたんぱく質の多い物の場合は、惣菜で野菜の多いものを選び、たんぱく質が少ない場合はたんぱく質を補うようにしましょう。
【朝食献立例】
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おにぎり(紅鮭)+豆腐とひじきのサラダ+豆乳(200㎖)
→糖質とたんぱく質に加え、食物繊維をしっかり摂ることができます。たんぱく質が少し不足してしまうため、昼食以降の食事で補うか、豆乳をプロテインに置き換える方法もおすすめです。片手で食べたいという方はおにぎりと豆乳だけでも食べましょう。 -
サンドイッチ(ツナたまご)+サラダチキンバー+野菜ジュース(野菜100%)200㎖
→サンドイッチはマヨネーズにより脂質が高めになるため、他の食品は脂質が少ない物を選択。野菜をスープやサラダでなく野菜ジュースにすることで塩分を抑えられます。果汁の入ったジュースは太りやすいため、野菜100%のものにし、食べ順はサラダチキンからがおすすめです。食物繊維が不足するため昼食や夕食で補いましょう。 -
サラダチキンのサンド+バナナ+水
→たんぱく質の摂れるサンドはたんぱく質や塩分が高めになりますが糖質や食物繊維は少ないため、糖質や食物繊維の多いバナナをプラス。果糖は脂肪になりやすく摂りすぎ注意ですので、この日は他には果物を食べないようにするのがおすすめです。水分もなるべく水から、忘れずに摂りましょう。
比較的手軽に食べやすい組み合わせを紹介しましたが、こんなに食べる時間はない!という方は、ツナマヨおにぎりやサンドイッチがおすすめです。おにぎりは本来血糖値が上がりやすいですが、マヨネーズの入ったおにぎりは脂質がある分吸収を緩やかにすることができるため、1品食べになるときにはおすすめの食品です。脂質が多くカロリーが高くなるため良くないと思われがちですが、これ一つでカロリーオーバー等になるほどではありません。
サンドイッチはおにぎりに比べ脂質が多く糖質が少ないため、血糖値を上げないという面でおすすめの食品です。比較的たんぱく質や野菜もとれるため栄養バランスよく摂ることができます。
噛む時間もないという方はプロテインや豆乳を飲むのも一つの方法です。
朝食の量と3食のバランス
朝食・昼食・夕食の3食のバランスはダイエットにおいてとても重要とされています。
ダイエットや健康のための3食のバランスは、朝食に最もボリュームがあるのが理想的と言われています。
しかし、実際に朝食を昼食や夕食よりもしっかりと食べているという方はあまりおらず、日本人では3食のバランスは2:3:5になっている方が多いようです。
現実的には難しい方も多いと思いますが、体内時計が朝型になる太りにくい3食のバランスは4:3:3と言われています。体内時計の観点以外でもこれから活動をする朝や昼に比べ、あとは寝るだけという夜にボリュームが偏りすぎると脂肪になりやすくなるためダイエットでは避けたいものです。朝食を一番にはできなくても、3:4:3か難しくても3:3:4にするなど、典型的な日本人のバランスよりは朝昼の比重を大きくするのがおすすめです。
朝食の時間帯
朝食と言っても、朝の時間に食べれば身体も朝食と捉えるというわけではありません。
朝食とは英語でbreakfastと言いますが、名前の通りfast(断食)をbreak(破る)ことで成り立ちます。つまり、ある程度の絶食時間が必要です。
理想的なのは、遅くても朝食から12時間以内には夕食を済ませ、夕食後12時間以上は断食することが推奨されています。逆に断食の時間を長くしすぎると、かえって血糖値の急上昇などの太りやすい習慣を招く可能性がありますので、個人差もありますが空けすぎにも注意しましょう。
また職業によっては日が昇る時間が朝ではなく、睡眠の時間帯が不規則な方もいらっしゃいます。夜勤のある方や、やむを得ず生活リズムが不規則になってしまう方も、朝食から量や時間帯を意識することで体内時計をリセットしやすくなります。夜勤が連続で3日以上あるという場合は、出勤前の起床時に朝食としてしっかりと食事を摂り、勤務中や寝る前の食事は多くなりすぎないようにすることで、体内時計をコントロールすることができます。
ご自身の生活習慣に合わせて“朝”を設定し、それに合わせて朝食や昼食、夕食、また睡眠をとることが、健康や美容にとって適した体内時計のコントロールになります。食事の時間だけではなく、それに合わせて睡眠や入浴の時間を決めると、より健康的な生活リズムが身に付きます。
まとめ
朝食は、体内時計のリズムをリセットし、朝から代謝を上げることで、ダイエット効果を高め、健康においても良い効果が期待できます。朝食の選び方と、3食のバランス、夕食と朝食の時間をコントロールし、ダイエットにより効果的な朝食習慣を身につけましょう。
